ドラマストア東京レポ

7月7日、七夕の日。ドラマストアの「ドラマチック・ミュージックショー」ツアーファイナルが渋谷WWWで行われた。今回の記事は、そのライブレポートである。


1曲目は最新アルバムの1曲目から『エンドロール』。新たな始まりを告げる歌詞と爽やかな曲調は、ライブの始まりを鮮やかに彩った。

2曲目はライブ定番曲である『至上の空論』。ピアノの美しい旋律とスピーディーな展開を見せるライブの定番曲で、場内のテンションは一気に上がった。

4曲目の『ガールズルール』は、ポップな曲調とかわいらしい歌詞が特徴。Ba.高橋も足踏みをしたり「そういうこと?」という歌詞に合わせて指を指すポーズをしたり、メンバーもノリノリで演奏している様子が伝わった。

5曲目は、今回のツアータイトルと相反するタイトルとなっている『イミテーション・ミュージックショー』。「爆音で鳴らすイヤフォンに飽きた」私たちにはぴったりの曲だ。個人的には「千切れたパンツだって」のところでパンツを思いっきり引っ張っているGt.Vo.長谷川がツボだった。

「学校とか仕事とか行きたくない人にぴったりの曲を作ってきました!」と言って始まったのは新曲『work&work』。こういう風に生活に寄り添ってくれる曲を作るバンドには弱い。

その後も、今の季節にぴったりな『紫陽花が咲く頃』や『秘密』など、過去の名曲が紡がれていく。ドラマストアは、今の曲も昔の曲にも褪せない魅力があるなと思う。

そして長谷川のMC。「5年間、山あり谷ありだった。ファンを辞めてしまいそうになるだろうタイミングは今まで何度もあった。変わらないために変わってきた。」それらの言葉は、ドラマストアが今まで歩んできた険しい道のりを思い出させた。

「でもだからこそ、前よりも上手く歌える曲があると思うんです。」そう言って始まったのは『バースデー』。

「僕が僕のためにできること それはその足を止めないこと」
「今も僕はちゃんと 今も僕はきっと 弱い僕のまま生きてる あの頃よりちゃんと胸を張り」

長谷川の柔らかくも熱の篭った歌声に、涙ぐむファンも多かった。
演奏的な話をすると、バラード曲でありながらかなり多いドラムの手数が、後半になるに連れてどんどん熱量を増していくのは圧巻だったし、静と動のコントラストを生み出すことで一層ボーカルが煌めいて聴こえた。

そして『東京無理心中』。これ音源化してほしいです。

『Lostman』は長谷川の声とGt.Key.鳥山のキーボードだけで静かに曲が始まった。透明感がありつつも胸に刺さる声。そして『きえないまぼろし』。「今の僕を見てくれ」と長谷川が叫ぶようにして始まった『グッバイ・ヒーロー』と、涙腺にトドメを刺してくるバラードコーナーを演奏し終えると、また長谷川のMCが入る。

「普段はお喋りを売りにしているけど、今日は言葉が出てこない。感謝していますとしか言えないけど、それもみんなのせいなんやからな!」なんて長谷川は照れ笑いを浮かべる。そんなこと言われたら、好きよりもっと大好きになってしまう。

そして、まるでお葬式のような状態にしたのはそっちなのに、そんなのお構い無しといった様子で「涙はいらない!まだまだ夜遊びしよう!」という長谷川のフリで『あさきゆめみし』が始まった。ゴリゴリのアップチューンで一気に盛り上がる会場。曲中には各パートのソロもあり、それぞれの演奏技術がいかに優れているかを知らしめることとなった。そしてそのままの流れで『三文芝居』へ。この2曲を並べるととにかく盛り上がる。

そしてライブも終盤。『ディストピア』や『Stand by you』などのアルバム曲が演奏される。ツアーファイナルだからというのもあるのかもしれないけれど、アルバム曲の安定感が凄まじくて、バンドとしての演奏力を感じた。

そして本編ラスト。これもライブ定番曲である『スイミー』からのアルバム曲『世界はまだ僕を知らない』で幕を閉じた。

「また新しくなった“僕ら”は僕を生きていける」

まさしく現体制になったドラマストアを象徴する歌だ。きっとドラマストアはこれからも変わらないために変わり続けて行くのだろう。その姿を最後まで見届けたいと思わせてくれる1時間半だった。

そしてアンコール。NEWシングルのリリースと新しいツアーが発表され、新曲『ラブソングはいらない』が初披露された。一見ネガティヴにも思えるタイトルだが、曲調や歌詞は前向きで、ドラマストアらしいなと感じた。

続いて本編では披露されなかった『冒険譚』。新たなツアーへの高揚感が湧き上がる。鳥山の高速ギターリフが光った。
アンコールラストは『三月のマーチ』。ツアーファイナルである渋谷クラブクアトロでのライブは一月だが、「一月もその先の三月も一緒に!三月のマーチ!!」と始まった。

「いつか僕らも夢を叶えてさ 春夏越えて秋冬を耐えて 君と並べる僕になるから」

彼らが夢を叶える頃には私も夢を叶えているだろうか。季節を越えたクラブクアトロが楽しみで仕方がない。

WEn.は『アンサイクル』。
「エンドロールを待たないまま飛び出した」という歌詞を意識したかどうかはわからないが、1曲目に繋がっていて感心してしまった。まあ、ボーナストラック的位置づけなので偶然だとは思う。しかし、その偶然すら必然と思わせてしまうような力を感じさせる演奏だった。

ここに来るまで様々な紆余曲折を経てきたドラマストア。それでも巡り巡るサイクルをぶち壊して、きっと新しい景色を私たちに見せてくれるだろう。


以下、記憶が定かではないセットリストです。

M01.エンドロール
M02.至上の空論
M03.流星群
M04.ガールズルール
M05.イミテーション・ミュージックショー
M06.work&work
M07.紫陽花が咲く頃
M08.秘密
M09.バースデー
M10.東京無理心中
M11.Lostman
M12.きえないまぼろし
M13.グッバイヒーロー
M14.あさきゆめみし
M15.三文芝居
M16.ディストピア
M17.Stand by you
M18.スイミー
M19.世界はまだ僕を知らない

En.
01.ラブソングはいらない
02.冒険譚
03 .三月のマーチ

WEn.アンサイクル