トリビュートの素人ライブレポ

2日間に渡り新木場STUDIO COASTで行われた、『Thank you, ROCK BANDS! 〜UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live〜』

今回はそのライブレポである(あくまで素人のライブレポもどきです)。

行けてない方もたくさんいる中、映像化音源化が困難であるとのことで記憶の限り色々書いていこうと思います。


《28日》

Guest 1 大胡田なつき、成田ハネダ(パスピエ)

まず、ステージに現れたのは成田ハネダ。会場では歓声が上がったり誰?という声が上がったり(私は後者ですすみません…)反応は様々だったが、彼がピアノソロを弾き始めた瞬間、その声たちはすぐ静かになった。

そのまま彼の演奏で『絵の具』が流れ出すと、一気に興奮と緊張感に包まれる。いつもと違い、観客に挨拶をすることなく颯爽と現れる3人。これからどんなライブが始まるのか、観客全員が息を呑んで見守った。

そして突然流れ始めたのは『harmonized finale』のあのピアノのイントロ。これは本当にずるいと思った。会場内はまさに阿鼻叫喚。まさかこの曲が演奏されるなんて、誰も想像していなかっただろう。

感動的な幸福感に包まれる中、斎藤が挨拶をする。「1組目のゲストはパスピエから大胡田なつき!ナリタハネダ!いや~ニヤケちゃうなぁ(笑)」そんな斎藤にファンも表情を和ませる。

そして次に演奏されたのはトリビュートアルバムにも収録された『場違いハミングバード』。ユニゾンの曲なはずなのに、完全にパスピエの曲になった場違いハミングバードは、原曲以上にハッピーで、でも歌詞は少しネガティブで、そのギャップが余計に際立っているように感じた。

ラスト、3曲目に披露されたのはパスピエの『S.S.』。パスピエにあまり明るくないため、恥ずかしながら初めて聴いたが、めちゃくちゃかわいいし楽しいしかっこよかった。斎藤はギターを置いて歌ったり、跳ねたり、踊ったり、普段のユニゾンでは見せない姿をステージで見せていた印象。



Guest 2 佐々木亮介(a flood of circle)

2組目のゲストはa flood of circleから佐々木亮介。フラッドには田淵が楽曲提供をしていたり、某ケバブ組ではボーカルを務めていたりと何かとユニゾンファンに親しまれがちな佐々木亮介。いつもの革ジャン姿に酒缶2本を持って入場し、飲み切った缶をフロアに投げ込むその姿はまさしくロックスターだった。1曲目はフラッドの『シーガル』。ユニゾンのファンばかりが集まっているはずのSTUDIO COASTを、彼は数分で自分のホームにしてしまっていた(いい意味で)。

「トリビュートじゃない、ユニゾンの曲をやろうと思います。俺はそんなに厳しくないよ?」というフリとともに始まったのは『WINDOW開ける』。これもユニゾンの曲なはずなのに、もはや佐々木亮介のために作ったのか?というくらいに似合っていた。天才的な選曲だった。

そして最後に披露されたのは『フルカラープログラム』。ラストのサビ「涙キラキラ 西の空に光る モノクロでは説明できない」の部分をファンに歌わせるという、本家では空前絶後、見られない光景であろうめちゃくちゃエモい演出。それをあっさりとアウェイな環境でやってのけてしまう佐々木亮介は、本当にとんでもないボーカリストであると感じた。フラッドかっこいいのでライブ行きたい。



Guest 3 山田将司菅波栄純(THE BACK HORN)

1曲目はまさかの『BUSTER DICE MISERY』。真っ直ぐな声と歪んだギターで、普段のバスターとはひと味違う楽しさを味わった。テクニックだけでなく、重厚感でゴリゴリに叩き潰されるような感覚だった。

そして「当時、リリースイベントで僕と田淵が最前で見た曲です」という斎藤のMCから『涙がこぼれたら』が披露された。

最後はトリビュートに収録の『シャンデリア・ワルツ』。こちらも本家とは違い、サビの「ハローグッバイ」を会場の全員で歌うという珍しい光景を見ることができた。このときもそうだが、佐々木のフルカラーのときも斎藤がイヤモニを外して声を聞いていたのが印象的だった。

Guest 4 山中さわおthe pillows

聞き馴染みのあるドラムのリズムと共に現れた山中さわお。そのまま『RUNNERS HIGH』が始まる。曲中の「Just runners high!」という掛け声、会場のほぼ全員ができていたあたり皆オタクなんだなぁ、と思ってしまった(褒め言葉です)。

そして「中野のビッグエコーでめちゃくちゃ練習して、履歴がユニゾンだらけになってしまった」という『Cheap Cheap Endroll』。より凶暴性を増したボーカルに、会場は熱狂的な盛り上がりを見せた。

最後に披露されたのは個人的大本命の『シューゲイザースピーカー』。「あんたのバランスなんて聞いてない そうだろ?」という歌詞は、生で聴くと本当に痺れてもう何も言えなくなってしまった。この曲をpillowsがやる意味とか、色々考えてしまう。伝説的なバンドがやるからこそ、より歌詞が重みを増したように感じた。



Guest 5 東京スカパラダイスオーケストラ

鈴木のドラムソロからの欣ちゃん(茂木って書くの違和感凄かったので愛称でよろしくお願いします)のセッションに、会場が湧き上がった。私は死んだ。「欣ちゃん!欣ちゃん!欣ちゃん!」という呼び掛けに応えるように欣ちゃんも「タカオ!」と言葉を挟み、2人で同じリズムを繰り返したり、一緒に叩いたりしてどんどんと盛り上げていく。そして沖さんが入場してシンセが入り、いつものように『Paradise Has No Border』が始まる。しかしいつもと違ったのは、上手、下手、中央の順に回っていく射殺タイム(今命名しました)をユニゾンのメンバーとともにやったこと。上手、下手のときは斎藤と田淵しか前に来ることはなかったが、中央に来たときにはドラムの鈴木もスネアを持って真ん中に現れた。いくらなんでも超天変地異過ぎやしないか?欣ちゃんがいることでドラム自体に影響はなく、珍しくステージで踊る鈴木貴雄の姿を見ることができた。スカパラありがとう。

次に披露されたのは30周年を迎えたスカパラの方のトリビュートアルバムに収録された、『愛があるかい?』だ。もしかしたらやるかな~とは思っていたけど、生で聴くと愛が溢れてとにかくとてつもない多幸感に全身くまなく満たされた。音源の途中にもある、モントゥーノの再現もしっかりされていて感動してしまった(音源を聴いたら意味がわかると思います)。

そして最後に披露されたのは『桜のあと(all quartets lead to the?)』。スカパラVer.のアレンジをライブで観るのは全員初めてのはずなのに、サビのクラップがしっかり揃っているあたりがオ(以下略)。双方の魅力がたっぷり詰まった、目も耳も足りないライブだった。

Guest 6 LiSA

最後のゲストはLiSA。実はLiSAのライブをちゃんと生で観るのは(ケバブを除けば)これが初めてで、どんな感じだろう…と思っていましたが最高でした。

1曲目は『オトノバ中間試験』。これもまさかの選曲だったけど、とにかく自分の歌にしているなという印象だった。「息継ぎがてんでないじゃんか!」と田淵に詰め寄り、「あのね歌ってるのは怪奇怪奇なさいちゃんなんで呆れるまでユニゾンに任せといて」と捲し立てたところで観客中から歓声が上がった。女性アーティストではLiSA以外にたぶんこんな歌詞は歌えないだろう。

そして2曲目は『Rising Hope』。LiSAが歌うだけかと思っていたら、まさかの斎藤も原キーで歌っていて、一瞬幻聴か幻覚の類かと思った。なぜ原キーで歌える???(プロだからです)

そして3曲目はTwitterの予告通り『オリオンをなぞる』。ステージを縦横無尽に駆け回るLiSAを観るのにも普段と全然違う表情を見せるユニゾンメンバーを観るのにも目が足りず、なかなか大変だった。曲中、斎藤とマイクを共有して歌う姿に(色んな意味で)歓声が上がっていた。3曲しかやっていないにもかかわらず、圧倒的な満足感。ガッチリとハートを掴まれてしまい、これはみんな好きになってしまうな~という感想でした。


【28日セットリスト】

00.絵の具
01.harmonized finale
02.場違いハミングバード
03.S.S.
04.シーガル
05.WINDOW開ける
06.フルカラープログラム
07.BUSTER DICE MISERY
08.涙がこぼれたら
09.シャンデリア・ワルツ
10.RUNNERS HIGH
11.Cheap Cheap Endroll
12.シューゲイザースピーカー
13.Paradise Has No Border
14.愛があるかい?
15.桜のあと(all quartets lead to the?)
16.オトノバ中間試験
17.Rising Hope
18.オリオンをなぞる

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